「社内サーバーにActiveDirectoryを入れなければいけない」は本当か
新しいオフィスを構えるとき、あるいは社員が増えてきたとき、システムベンダーからこんな提案を受けた経験はありませんか。
「社員管理をきちんとするなら、社内サーバーにActiveDirectory(AD)を構築しましょう。」との説明。
一昔前であればこれが正解でした。社員のIDとパスワードを一元管理し、パソコンへのログインや社内ファイルサーバーへのアクセスをコントロールするには、オンプレミスのADサーバーが必要だったからです。
しかい費用は導入だけで300万円以上、サーバーを冗長化するなら600万円を下ることはありません。
ハードウェア価格の高騰が続く今、中小企業にとって決して軽い投資ではありません。
でも今は違います。Microsoft365を契約していれば、すでにEntra IDが使える状態になっています。 社員30〜100名規模の中小企業であれば、高価なサーバーを導入しなくても、Entra IDだけで統合管理環境が構築できます。
Entra IDとは何か
Entra ID(旧称:Azure Active Directory)は、Microsoftがクラウドで提供するID管理サービスです。
Microsoft365のすべてのプランに含まれており、追加費用なしで利用できます。
オンプレのADと同様に、以下のことが管理できます。
- 社員アカウントの作成・削除・パスワード管理
- 多要素認証(MFA)によるセキュリティ強化
- Microsoft365の各サービス(Teams・SharePoint・Outlook)へのアクセス制御
- 条件付きアクセス(社外からのアクセスを制限するなど)
さらにクラウドならではの強みとして、社内サーバーが不要・メンテナンス不要・どこからでも管理できるという特徴があります。
ADとEntra IDの違いを整理する
| 項目 | オンプレAD | Entra ID |
|---|---|---|
| サーバー | 社内サーバー必要 | 不要(クラウド) |
| 導入コスト | 数十〜数百万円 | Microsoft365に含まれる |
| 管理場所 | 社内のみ | どこからでも可 |
| 障害リスク | サーバー故障で全停止 | Microsoftが冗長管理 |
| テレワーク対応 | VPN等が別途必要 | 標準で対応 |
| 保守・更新 | 自社またはベンダー対応 | Microsoft自動更新 |
社員数が数百名を超える大企業や、基幹システムとADを連携している企業は引き続きオンプレADが必要な場合もあります。しかし30〜100名規模でMicrosoft365を使っている中小企業であれば、Entra IDだけで十分なケースがほとんどです。
Entra IDだけで何ができるか
① 社員のID統合管理
入社時にEntra IDでアカウントを作成すれば、Teams・SharePoint・Outlook・OneDriveすべてに同じアカウントでアクセスできます。退職時はアカウントを無効化するだけで、すべてのサービスへのアクセスを即座に遮断できます。
② 多要素認証(MFA)でセキュリティ強化
パスワードだけのログインは不正アクセスのリスクがあります。Entra IDのMFAを有効にすれば、ログイン時にスマートフォンへの通知確認が必要になり、パスワードが漏洩しても不正ログインを防げます。設定は管理画面から数クリックで完了します。
③ 条件付きアクセスで社外からの接続を制御
「社外からのアクセスはMFAを必須にする」「会社支給のPCからしかアクセスできないようにする」といったポリシーを設定できます。VPNを別途用意しなくても、セキュアなリモートワーク環境が実現できます。
④ Windowsパソコンの管理(Entra ID参加)
WindowsパソコンをEntra IDに参加させると、社員はEntra IDのアカウントでWindowsにログインできます。パソコンごとに別々のローカルアカウントを管理する必要がなくなり、パスワード管理が一元化されます。
なお、パソコンへのポリシー配布・アプリの一括管理・リモートワイプなどより高度な端末管理を行う場合は、別途Intuneの導入が必要です。
Intuneを組み合わせることで、端末管理環境が実現できます。
bitgateの支援事例
一般社団法人・150名の場合
長年使い続けてきたオンプレAD環境が老朽化し、構築した担当者も退職。何をどうすればよいかわからない状態でbitgateにご相談いただきました。
既存AD環境を調査した結果、Entra IDへの完全移行が可能と判断。全クライアントのEntra ID参加移行作業を支援し、複数の独自ドメインをMicrosoft365に集約して統合管理環境を実現しました。
移行後はクライアントの状態を管理画面から一元把握でき、ウイルス・マルウェア対策もお客様自身で運用できるようになりました。
こんな企業様はEntra IDへの移行を検討してください
- オンプレADサーバーの保守期限が近づいている
- サーバー更新の見積もりが高くて悩んでいる
- テレワーク対応でVPNの設定が煩雑になっている
- 退職者のアカウント管理が属人化している
- Microsoft365を使っているのにID管理がバラバラになっている
これらに一つでも当てはまるなら、Entra IDへの移行でコストと管理負荷を大幅に削減できる可能性があります。
まとめ
- 社員30〜100名規模の中小企業なら、オンプレADは不要なケースが多い
- Microsoft365にはEntra IDが標準で含まれている
- ID管理・MFA・条件付きアクセス・端末管理がEntra IDだけで実現できる
- サーバー導入・保守コストを削減しながらセキュリティを強化できる
Entra IDへの移行や現在のID管理環境の見直しについて、bitgateが無料で診断します。まずはお気軽にご相談ください。
