SharePointのテンプレート「承認付き出張申請」ワークフローで簡単業務アプリ 【運用編ラスト】

ここまで3回の記事で”承認付き出張申請”の後につなげる”仮払処理”のための設定を行いました。

設定したのは

  • 承認済み仮払いデータの絞り込み
  • 仮払処理リストの作成

の2つです。

今回はこの2つの設定にもう一つ加えて実務でどのように使うかを解説します。

 

仮払い処理の運用手順

一番シンプルな手順は、承認された出張申請で仮払申請されている条件のデータに対して仮払したことを追記すれば良いのですが、承認済みデータを変更すると承認の状態がリセットされてしまうというのは「」で解説したとおりです。

なので承認付き出張申請リストと仮払処理リストが同じデータ数になるように運用する必要があります。

標準の機能ではこの2つのリストを完全に一致させることはできないので、PowerPlatformなども使わず運用で補う手順を解説します。

2のリストを並べて表示するページを作成

これまでに作成した2つのリストを画面を切り替えながら差異を確認するのは面倒ですし、見間違えも起きやすいので両方のリストを一度に閲覧できるページを作成します。

まずはサイトコンテンツから「+新規」ボタンをクリックし、「ページ」を選択します。

 

新しいページが表示されたらタイトルに”仮払い消し込み用”と入力します。

ページの真ん中にある「+」アイコンをクリックしセクションから”2段組”を選択します。

追加されたセクションの左側の真ん中上部にマウスを合わせると表示される[+」アイコンをクリックし、表示の中からリストを選択します。

 

リスト選択画面が表示されたら、”承認付き出張申請”を選択します。

 

承認付き出張申請が表示されたら、左上の制御アイコンをクリックします。

画面右側にリストのプロパティが表示されるので、表示するから”仮払一覧”を選択し「適用」ボタンをクリックします。

 

同様の手順で右側のセクションで真ん中上部にマウスを合わせると表示される[+」アイコンをクリックし、表示の中からリストを選択します。

 

リスト選択画面が表示されたら、”仮払処理リスト”を選択します。

 

仮払処理リストが表示されたら、左上の制御アイコンをクリックします。

 

画面右側にリストのプロパティが表示されるので、表示するが”全てのアイテム”になっていることを確認し「適用」ボタンをクリックします。

 

画面右側の発行ボタンをクリックしページを表示します。

 

下図のように承認付き出張申請と仮払処理リストが横並びに表示されるようになりました。

 

これですべての設定は完了です。

この仮払消し込み用ページを表示すれば、左側に承認付き出張申請には承認済みの仮払データが一覽され、右側には仮払処理をしたデータが表示されますので、IDと申請IDの並びが同じになっていない場合は、仮払処理が完了していないことを意味します。

仮払消し込み手続

経理担当者は仮払消し込み用ページを表示し、2つのリストの差異を確認します。

そして下図のようにID5が仮払処理リストにないという状態だったときは、ID5のタイトルをクリックすると出張申請データが表示されるので内容を確認し仮払手続を行います。
そして仮払手続が終わったら仮払処理リストの「+新規」ボタンをクリックしアイテムを選択します。

 

新しいアイテムを登録する画面が表示されたら処理担当者を入力し、申請IDに5を入力してプルダウンされた”5”を選択。
保存ボタンをクリックしたら消し込み完了です。

 

IDが同じ分表示されていれば仮払していないデータはないということを意味します。

 

このようにリストを分けることで承認後の手続を作ることが可能です。

仮払消し込み用ページはいつ確認すれば良いのか?2つのリストの差分をもっと簡単に抽出できないか?など色々な声が聞こえて来そうですが、そのためにはPowerAutomateやPowerAppsで作り込む必要があります。

これらPowerPlatformはローコードでシステムを開発できるツールですが、近年シェアを拡大しているkintoneなどと比べるとかなり高いスキルが必要ですし、kintone以上の作り込みも可能なため、属人化したシステムになってしまう可能性もあります。

bitgateではSharePointを使っていないお客様に一歩前進してもらうことを推奨しており、このような単純な業務手順であれば標準の機能である程度実装できることを知ってもらいたい活動を進めています。

デジタル化の最初はスモールスタートで十分なことが多いので、あまり難しく考えずに一歩を踏み出してみてください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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