ワークフローで必ず検討していただきたいこと

コロナ禍で中小企業にも導入が進んいるテレワーク。

テレワークを実現するのに必要な環境として検討されるのが「電子ワークフローシステム」です。

紙文書の回覧では、紙の紛失や判子の押印など人手を介して処理をするため出社が必要となりますが、電子ワークフローシステムでは電子情報で申請、承認、合議、回覧するため、場所を選ばずパソコンなどのツールがあれば申請や承認できることが大きなメリットです。

テレワークだけでなく決済スピードアップや、記入ミスや記入漏れなどの抑止などの導入効果を期待されます。

導入で検討される主な帳票としては
・休暇申請
・時間外申請
・稟議申請
・出張申請・報告
・経費申請
などが多いと思います。

上記の申請書は全社で利用されることが多いので、システム化しやすい帳票です。

電子ワークフローシステムの活用度を上げる場合、部門間の依頼や報告など、個別の業務フローをシステム化することになります。

部門ごとに存在する業務プロセスは慣例や慣習が存在し、電子ワークフローでシステム化する際に、これらの慣例や慣習の見直しが重要です。

あるお客様の事例ですが、既存の紙で回覧していたワークフローのルートに15人の承認プロセスが存在しました。
それは品質事故に関する報告書のワークフローでしたが、15の関係者全てに関連するのかについて質問をしたところ、「今までこのルートで回していたから」「関係するかしないかは見た人が判断してほしいから」という理由で回覧されていました。

次に商品先の15箇所の対象者にヒアリングしたところ、しっかり報告書を読み込んでいる方は半分にも満たない5名で、他の方は報告書のタイトルもしくはななめ読みで回覧していることが分かりました。

またその報告書が発行されて、最終承認者である社長へ回付されるまでに概ね1週間近くかかっており、社長が目にする際には時既に遅しという状況が生まれてしまう可能性もありました。

この事例のように、電子ワークフローシステムを導入しても、今まで通りのプロセスでシステム化するのではなく、まずはこれまでの回覧手順を確認・協議し、権限の移譲や承認ではなく、決済後の回覧にするなど、プロセスを見直すことをおすすめしています。

多くの承認者を入れると、回付する内容でルートを制御したくなり、システムの設定が複雑になると人事異動などの際にメンテナンスが必要になるなどシステム管理が難しくなってしまったりもします。

テレワークは働き方を変えるために導入する仕組みなので、ワークフロー導入時も業務プロセスの見直しをかけるようにしましょう。