御社のファイルサーバーに管理ルールはありますか?
ファイルサーバーは社内ネットワーク上に設置され、部門ごとにアクセス権を設定して利用されています。
多くの企業ではアクセス権の設定はするものの、フォルダ体系や利用手順について決まっていないことも多く、近年は安価なNASが増えたので、部門予算気軽に購入できるため、ファイルサーバーが乱立している企業も見受けられます。
ファイルサーバーの話になったときに「ファイルサーバーがゴミ箱になっちゃってるんだよね」というお困りごとから、「良い整理方法はありますか?」を聞かれたときにアドバイスする整理術は2パターンあります。
- 運用管理ベースのファイル格納
- DXベースののアーカイブ管理
運用管理ベースのファイル格納
タイトル通りの一般的な文書管理に基づいたファイル管理法です。
ちなみに宣伝ですが、bitgateではドキュメントアドバイザリーで紙と電子ファイルの管理手法をアドバイスし、運用マニュアルを作成するサービスを提供しています。
これはトータルファイリングシステム(またはファイリングシステム)による「ドキュメントライフサイクル」がベースとなっており、発生→伝達→活用→保管→保存→廃棄のサイクルに則り、管理体系とルールを作って運用するというものです。
ファイリングシステムはアメリカで生まれた仕組みで、日本では自治体など公文書管理に採用されており、100年以上の歴史があります。
紙文書は実物があり目に見えるため、ファイリングシステムを採用することで、文書の格納手順、所在管理や廃棄方法などを適切に管理することができ、オフィスや倉庫が整理整頓された状態を目視で実感することができます。
電子ファイルも紙文書と同じ様に「発生~廃棄」までのライフサイクルがあるのですが、紙文書のように実物があるわけではなく、全体を把握しにくい点が大きく異なります。
また電子ファイルは発生後に、印刷されて紙文書変わってしまったり、内容を何度も改訂を繰り返したり、簡単に複製できるため、ライフサイクルに対する取り扱いが難しくなってしまい、ファイリングシステムをそのまま適用するとギャップが生じてしまいます。
なので、近年の電子ファイルの運用管理ベースのファイル格納では、以下の3点だけに絞ったルール作りをおすすめしています。
- 電子原本化の判断・・・受領した請求書や納品書などが電子であった場合の保存先を明確にする
- 命名規則・・・フォルダやファイルの命名規則を決める
- 年度管理・・・フォルダ階層に年度を設定する
上記3点を決めておくことで、完全ではありませんがファイルサーバーの秩序が少し保たれます。そして3点のルールを社内で普及させるために、新入社員や中途採用者への教育を通じえて啓もう活動を継続することも重要です。
DXベースのアーカイブ管理
もう一つのおススメであるDXベースのアーカイブ管理とは、業務システムに連携したアーカイブシステムを用意し、保存する文書を特定する方法です。アーカイブシステムはファイルサーバーでも専用の文書管理システムでも構いません。
アーカイブシステムのイメージ
機能 | 必要性 |
アクセス権の設定 | 必須 |
ファイルにWEBからアクセスできるインタフェース | 可能であれば |
属性設定 | 可能であれば |
見積書の採番をExcelで台帳管理している企業をよく見かけます。
Excelシートに「発行日」「顧客名」「担当者名」「見積タイトル」「見積金額」などが並んでおり、Excelファイルをファイルサーバーで共有するという使い方が一般的です。
DXベースで考えるなら、作成した見積書を紙で提出するなら承認印が押印された見積書をスキャンしてPDFファイル化して、ファイルサーバの見積フォルダへ格納するのがベストですね。
その際に、格納する見積書のファイル名は「見積番号」というルールを設定し、Excelシートの見積番号の列にアーカイブシステムへのリンクをハイパーリンクで自動生成するように作りこみます。
このようにファイルを格納する場所やファイル名にルールを持たせ、業務プロセスをサブシステム化することで、ファイルサーバーがアーカイブシステムとしての役割になり、秩序あるファイル格納が可能となります。
ただ、すべての業務をサブシステム化できるわけではなく、サブシステム化する対象文書は
保存義務がある。または保存義務の恐れがある文書
検索性が高い文書
の2つに絞ってみてください。
それ以外の電子ファイルは基本が個人管理で構いません。
そして損失によるリスクを減らすために、ファイルサーバーに個人ファイルを保存できる領域を設定し、
「バックアップ先」という用途で使わせれば十分です。
DXが究極に進めば最終的にファイルを作る必要すらなくなると思います。
ファイル作成の必要が無くなれば、ExcelやWordなどのアプリケーションを従業員に貸与する必要もなくなります。
DX推進のご担当者のみなさんはぜひ業務プロセスベースでファイルを格納する仕組みを検討してみてください。