グループウェアってどうやって使うの?

グループウェアをちゃんと使いたいんだけど…

グループウェアの導入を検討している役員の方や、「部門で導入したグループウェアを全社に拡張したいけれど相談に乗ってほしい」という声をかけていただくことがあります。

グループウェアは社員が20人くらいを超えると検討されるツールです。

日本ではサイボウスOfficeやdesknet’sなどが手ごろなグループウェアとしてシェアが高い製品です。

私は98年からLotus Notesというアメリカ産のグループウェアの管理と設計構築のエンジニアを15年ほどしていました。

グループウェアを導入するメリットは、人数が多くなることで伝わりにくくなった情報が原因で、業務に支障をきたすことが起きやすくなるためです。

数名程度ではメールを宛先やCCに入れて送ることである程度共有されますが、メールはあくまで連絡手段のひとつであるため、情報の保管は個人任せで管理が行き届きません。

また人数が多くなると共有が難しくなるのが「時間」。ミーティングや同行など、複数名で活動を共にする時間調整に手間がかかりやすくなります。

これらのグループで共有する情報を取りまとめる機能を集約したアプリケーションがグループウェアです。

先に述べた連絡は「掲示板」にまとめることで、メールを送る必要なく情報を共有できます。

時間の管理は各自がスケジュールを入力し、共有することで会議招集や同行などの予定を組みやすくなります。

この掲示板とスケジュールの2大機能を活用できれば、概ねグループウェアは活用できていると思いますが、問題となるのが利用率です。

利用者にとって有益でないモノは使わない、使えないという思考に陥ります。

「スケジュールは必ず入力!」「全社情報は掲示板にあっぷしています」と声を上げても、全員の足並みを揃えるのが難しく、グループウェアを導入しても「ちゃんと使えていない…」感じている企業が多いのが現状です。

では「ちゃんと使えるようにする」ためのポイントを2つほど

  • スケジュールの使い方に業務手順を加える
  • 掲示板に掲載した情報は掲示板で徹底的に対応する

スケジュールの使い方に業務手順を加える

全社でスケジュールを利用するときに、部門ごとにスケジュールに入力する内容の粒度を決めておきましょう。

スケジュール管理は営業職やサービス職、エンジニアや本部業務の方など、一日の中で業務が細かい職種の方が主に利用すると効率化につながります。特に会議や同行などの相手のスケジュールを確認する際には有効です。

反して製造部門や定型の事務作業者などは、出社状況が分かればよい程度のレベルのため、スケジュールを入力するという行為自体がほぼ発生しません。

よって職種によってスケジュールの入力ルールを明確することが重要で、また製造部門や提携の事務作業者の方は有給だけを確実に入力してもらうような業務手順を付くと有効です。

事例では休日申請について、スケジュールで有給情報を入力し、ワークフローで申請をして、上長が申請内容とスケジュールの登録をチェックして承認するというルールで運用されているお客様がいらっしゃいます。

これによりスケジュールで休みの社員を確認することができ、日頃スケジュールを使わない部門の社員も確実に利用するようになります。

日頃から利用する営業部門などは1週間先の訪問先を入力させるなど予定管理として業務手順を加えると利用度が増すので、各部門で業務と紐づけた利用手順を検討してみてください。

 

掲示板に掲載した情報は掲示板で徹底的に対応する

掲示板に情報を登録することで、閲覧者が見ることを義務づけるようにするのが運用の基本ですが、グループウェアを導入直後は興味本位もあって閲覧率が高くなりますが、日を追うごとに閲覧率が下がり、情報がいきわたらないという状況におちいります。

スケジュールにも記載しましたが、「利用者にとって有益でないモノは使わない」という傾向があるので、掲示板に乗せる情報は「読んでも読んでいなくても大きな問題にはならない」情報を掲載することが重要です。

そして、掲示板に乗せた情報をメール(システムが自動送信するリンクを除き)でも送信しているお客様を時折見受けられます。掲示板に掲載した情報をメールでも送信してしまうと、日頃から見るメールのほうが使いやすいため、掲示板の閲覧率は下がってしまうのでおススメできない運用手順です。

よって冒頭に記載した「利用者にとって有益でないモノは使わない」を掲載するようにし、同じ内容のメールは絶対送らないというルールを徹底してください。

そして、利用者から問い合わせがあった際は掲示板を見るように促す活動も徹底しましょう。

掲示板のメリットは利用者が欲しい情報のライブラリを作り上げることができることです。

グループウェアごとに機能は異なりますが、記事の閲覧状況を確認することもできたりするので、社員によく読まれた記事の傾向を調べたりすることも可能となります。

 

スケジュールと掲示板を徹底活用して、社内の情報流通を活性化させましょう。